ひき桜のTです。
この度、ひき桜では「みんなで語るピアサポート」というイベントを開催いたします。
ピアサポートとは「似た経験をした人同士の支え合い」の意味で、ひき桜では「ひきこもりピアサポートゼミナール」という、運営メンバーも含めて、ひきこもり当事者・経験者同士のピアサポート(似た経験をした人同士の支え合い)の学習会を続けています。
私も最初は参加者として通うようになり、安心できる環境で自分のひきこもり経験を、話しながら学んでいるうちに、この先のことをどうしたら良いか分からなかった時に、自然と力が湧いてきて、先のことを考えられるようになった経験をして現在に至ります。
そして「ピアサポゼミ」に興味を持って下さった、ひきこもり当事者・経験者ではない方から「ぜひ参加したい」という声が届くようになり、興味を持たれた方や支援者の方にも枠を広げた「みんなで学ぶピアサポート」を開催しています。
今回は、さらに範囲を「生きづらさ」に広げて、多くの立場からのお話を聴き、そこから対話を広げられたらと思い、ひき桜で初の、ゲストをお招きするイベントを開催することになりました。そして会場として現代美術家の渡辺篤さんのアートスタジオ・アイムヒアで開催出来ることになりました。
渡辺篤さんと、ひきこもり当事者Tさんの共同作品「卒業アルバム」をご紹介いたします。Tさんは中学校でいじめを受けて、それが原因で10年以上のひきこもりになりました。
卒業アルバムの作文を模して、中学での出来事が書かれた作品です。
そしてTさんは10年のひきこもり生活の中で、卒業アルバムを壁に叩きつけて壊しました。この作品は、その記憶の中の「卒業アルバム」を、現在のTさんがハンマーで壊し、それを金継ぎで繋いだ物です。
W O R K S - 渡辺 篤 ATSUSHI WATANABE ー ARTWORKS
アイムヒア プロジェクト《修復のモニュメント「卒業アルバム」》
2019年 インスタレーション|ビデオ(9分41秒)
コンクリートに金継ぎ、原稿用紙
共同制作:渡辺 篤+T氏
映像編集:檜村さくら
展示撮影:井上桂佑
実は、この「当事者T」さんは、私(とし)です。まだ残る傷としての「かけら」をそのままにしていること、金継ぎの傷が見えること、それでも立っている姿が、私自身のように見えることで、とても気に入っています。
そして実は、これが「私にとってのリカバリー」のイメージと重なっています。傷は傷として残っていて、まだ繋がるか分からない物もある。
それはいわゆる「ひきこもりからの回復」として、傷や苦しみについての思いを否定するのではなく、持ちながら歩んでいく物です。そして、それが「当事者」として人と人を繋ぐことにもなるのではないかと私は思っています。
今回のイベントでは、「当事者の支え合いとしてのピアサポート」と、「回復ではないリカバリー」について、さまざまな生きづらさについて対話をして、繋がるきっかけになると嬉しいです。よろしくお願いします!
★開催案内
※本イベントは申込必須です
みんなで語るピアサポート~ひきこもり・生きづらさ・アートから考える支え合い~
日時:2023年4月29日(土)午後2時~5時
会場:アートスタジオアイムヒア(GM2ビル 2F)
住所:〒232-0067 神奈川県横浜市南区弘明寺町259 GM2ビル2F
参加対象:生きづらさを持つ当事者
定員:30名
参加費:1円~(カンパ制。会の終了後までに募金箱へカンパをお願いします)
申し込み開始:4月15日(土)午後6時
【定員に達しました】
おかげさまで定員に達しました。
申し込みいただいた方は3日以内にひき桜より連絡しますので今しばらくお待ち下さい。
主催:ひきこもり当事者グループ「ひき桜」in横浜
協力:株式会社 泰有社、アイムヒア プロジェクト
詳細はこちらの予告をご覧ください。
よろしくお願いいたします。